大学では、知識の体系化としての「一般教養」として、様々な学問分野が学ばれる。
それらは、その目的の本質から二つに大別される。「知識と知的能力」の会得を目的としたものと、「良心と道徳的能力」の向上を目的としたものの二種である。
この二種の学問を極めることによってのみ、教養人は完成し得る。
前者に属する学問としては、文学教育や科学教育、道徳社会教育(現在の社会科学教育)が挙げられるが、これらの学問はそれぞれの真理を知ることによって、体系化された知識を構築していく役割を果たす。
大学教育における学問の目的たる「知識の体系化」とは、これらの学問における真理を「一般教養」として理解することを前提とする。
例を挙げるならば、文学教育は学問の表現手法としての言語を豊富、明快にするとともに、先人が思考の前提として用いた観念、先入観を理解することにつながるであろう。
他にも、科学教育は、知的作業に必須の論理的思考を育成する。科学を学ぶことは、観察と推論、帰納と演繹の過程によって構築される論理的思考の手助けとなり得る。
また、後者の属する学問としては、道徳教育、宗教教育など、人間の内面としての意志に関係する分野が当てはまる。
これらの学問分野は、前者の「知識と知的能力」で獲得したものを如何に個人が活用するのかという内面的な意志、良心に対して影響を与える。
だが、「良心と道徳的能力」の醸成は学問の実行の段階において必要とされるものの、個人の内面、情操は、本来教育機関、公的機関ではなく家庭、家族で学ばれるべきものである。
故に、大学が対象とすべきは、前者の「知識、知的能力」の獲得によって、諸分野の真理を「一般教養」として身につけ、「知識の体系化」を完成させることである。
(ヨハネ研究の森 第13期生 日高)