2018年02月05日

ヨハネ名著の森 掲載書籍一覧

 古今東西の名著を、ヨハネ研究の森コースの生徒(研究員)が要約・レポートし、知の共有空間の創出を目指します。

 あらゆる分野から選りすぐられた著作に触れながら、私たちの「学ぶ」意味を、あらためて見つめなおしてみませんか。

5冊目
J.S.ミル
『大学教育について』

(竹内一誠訳、岩波文庫)
大学教育について.jpg

 解説
 要約(1) 大学教育の目的
 要約(2) 諸学問分野の本質
 要約(3) 教養人とは何か


4冊目
J.J.ルソー
『社会契約論』

(桑原武夫訳、岩波文庫)
4.社会契約論.jpg

 解説
 要約(1) 社会契約論
 要約(2) 法の定義、立法とは
 要約(3) 求められる政府形態


3冊目
E・F・シューマッハー
『スモール・イズ・ビューティフル ―人間中心の経済学』

(小島慶三ほか訳、講談社学術文庫)
3.スモール・イズ・ビューティフル.png

 解説
 要約(1) 現代産業社会の思想と問題 
 要約(2) 現代文明社会の思想的転換とその方策
 要約(3) スモール・イズ・ビューティフル


2冊目
アマルティア・セン
『アイデンティティに先行する理性』

(細見和志訳、関西学院大学出版会)
2.アイデンティティに先行する理性.jpg

 解説
 要約(1) 過度な個人主義
 要約(2) 過度な共同体主義
 要約(3) 共同体主義の再考


1冊目
ショウペンハウエル
『読書について 他二篇』

(斎藤忍随訳、岩波文庫)
1.読書について他二篇.png

 解説
 要約(1) 「思索」
 要約(2) 「著作と文体」
 要約(3) 「読書について」
 
posted by ヨハネ研究の森 at 15:30 | 掲載書籍一覧

J.S.ミル『大学教育について』 要約(3) 教養人とは何か

要約(3) 教養人とは何か

 大学教育が目指すべきは、真理の集約としての「一般教養」の獲得により「知識の体系化」を完成させ、専門への分岐の前提を構築することである。

 個人は、大学教育を通して諸分野にまたがる真理を理解し、後の専門的学問によって高度な専門性を獲得する。この過程において、教育が理想とする教養人は完成される。

 すなわち教養人とは、あらゆる学問分野において何らかの真理を理解し、かつ特定の専門においてはその学問に属する全てを理解している人物であると定義できる。

 この過程のうち、前段に相当するのが大学教育であり、かつ職業人と教養人を分かつ点でもある。故に、大学教育は職業という最終目的とは直接的に関与しない。

 しかし、大学教育に何らかの「報酬」を見いだすならば、「諸君が人生に対してますます深く、ますます多種多様な興味を感ずるようになる」ことであろう。
 学問、教育は、「知識の体系化」の連続的な構造によって、あらゆる真理の位置づけを可能にするのである。

(ヨハネ研究の森 第13期生 日高)

 
posted by ヨハネ研究の森 at 15:20 | 教育学

J.S.ミル『大学教育について』 要約(2) 諸学問分野の本質

要約(2) 諸学問分野の本質

 大学では、知識の体系化としての「一般教養」として、様々な学問分野が学ばれる。
 それらは、その目的の本質から二つに大別される。「知識と知的能力」の会得を目的としたものと、「良心と道徳的能力」の向上を目的としたものの二種である。
 この二種の学問を極めることによってのみ、教養人は完成し得る。

 前者に属する学問としては、文学教育や科学教育、道徳社会教育(現在の社会科学教育)が挙げられるが、これらの学問はそれぞれの真理を知ることによって、体系化された知識を構築していく役割を果たす。

 大学教育における学問の目的たる「知識の体系化」とは、これらの学問における真理を「一般教養」として理解することを前提とする。

 例を挙げるならば、文学教育は学問の表現手法としての言語を豊富、明快にするとともに、先人が思考の前提として用いた観念、先入観を理解することにつながるであろう。

 他にも、科学教育は、知的作業に必須の論理的思考を育成する。科学を学ぶことは、観察と推論、帰納と演繹の過程によって構築される論理的思考の手助けとなり得る。

 また、後者の属する学問としては、道徳教育、宗教教育など、人間の内面としての意志に関係する分野が当てはまる。

 これらの学問分野は、前者の「知識と知的能力」で獲得したものを如何に個人が活用するのかという内面的な意志、良心に対して影響を与える。

 だが、「良心と道徳的能力」の醸成は学問の実行の段階において必要とされるものの、個人の内面、情操は、本来教育機関、公的機関ではなく家庭、家族で学ばれるべきものである。

 故に、大学が対象とすべきは、前者の「知識、知的能力」の獲得によって、諸分野の真理を「一般教養」として身につけ、「知識の体系化」を完成させることである。

(ヨハネ研究の森 第13期生 日高)

 
posted by ヨハネ研究の森 at 15:10 | 教育学